転職のメリットとデメリットについて

<転職のメリットとデメリットについて>

転職にはチャンスがある分、当然ながらリスクもあり、メリットとデメリットも存在します。私が過去に本当に体験した経験を元に転職のメリットとデメリットについて説明したいと思います。

 

<書いた人の紹介>

転職職人と申します。2000年に新卒で大手SIerに入社。2~3年したら転職して給料が良いところに転職しようとして大手コンサルティングファームに転職エージェント経由で転職。その後、5社転職して現在もIT企業に在籍、マネージャー、部長、役員など幅広く経験しています。また、在籍している企業では毎年数十人の面接官もやっていますので、面接時に面接官が何を考えているか?をお伝えします。

 

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<転職のメリット>

転職するメリットは、たくさんありますが、もっとも重要な下記の点について説明したいと思います。

・転職後の給与UP

・転職後の役職UP

・転職後の環境変化

・転職後の人間関係

 

<転職のデメリット>

 転職のデメリットも無くはないので、こちらも私の実体験から説明したいと思います。

・転職後の給与Down

・転職後の最初の上司は選べない

・合わない会社はすぐに転職した方が良い

 

<転職後の給与UPについて>

私が転職して一番良かったことは、当然ながら給料がUPしたことです。給料は通常の昇給ではなかなか上がりません。たとえば、下記に一般的な昇給額を参考に乗せます。こちらは厚生労働省の「令和元年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」から引用したものです。1人平均賃金の改定額として書いてある金額は、月額の賃金の上昇した金額になります。

 

企業規模・産業 1人平均賃金の改定額(円) 1人平均賃金の改定率(%)
令和元年 平成30年 令和元年 平成30年
5,592  5,675  2.0  2.0 
5,000人以上 6,790  7,109  2.1  2.2 
1,000~4,999人 5,722  5,645  2.0  1.9 
300~999人 5,204  5,247  1.9  1.9 
100~299人 4,997  5,039  1.9  1.9 

元ソース:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/19/dl/02.pdf

 

見れば分かりますが、従業員規模によらずに、年での平均給与の改定額は5500円程度しかありません。つまり、1年では約7万円ほどの給与が上昇するという事になります。新卒給与が350万円として、7万円上がってもうれしくないでしょう。ちなみに、私が新卒で入社した大手企業は新卒給与が21万円で、1年後の昇給は2100円でした。つまり、21万が21万2100円になっただけという昇給額でした。残業代はすべて支給されたので、月に2時間以上残業をするとそれ以上の給与がもらえるという事だったので、昇給してもほとんど意味がありませんでした。

ここで説明したい事は大体理解していただいていると思いますが、通常の給与UPだと年に7万円で10年で70万円しか上がらないのです。もちろん、役職が変われば給与は上がるので、同じような計算にはならない事は理解して頂いていると思いますが、この平均的な給与UPでは30歳になっても500万円にはなかなかならないのです。では、転職をした人がどの程度給与がUPしたのでしょうか。下記の図は総務省とリクルートが2018年にまとめたものの一部抜粋ですが、3割の転職者が転職時に1割以上の給与があがったというデータになります。1割以上なので上限は不明ですが、少なくとも年収では最低40万円以上の賃金上昇があったという事になります。

 

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転職後の給与が1割以上UPした割合

元ソース:https://www.soumu.go.jp/main_content/000562962.pdf

 

 

転職時には自分のスキル、能力で査定された金額や、転職後の会社の平均水準の給与を元に給与を決定するので、結果的に上がることも多いという事です。

 

<転職後の役職UPについて>

転職後の役職UPは、ポジションの空き具合によって可能な場合と、給与水準によって役職が付く場合があります。ポジションの空き具合は、前任の担当が退職したり、新規の部署を作るという裏側の事情が無い限り難しい側面があります。給与水準に合わせた役職としては、部下は存在しないが役職はついていたり、○○補佐、部長付けといったなぞの役職が割り当てられる事があります。ほかには、プロフェッショナル職を採用している企業などは、所属している部署の部長などという一般的な役職でなく、横文字のエグゼクティブ〇〇といった役職を用意してくれると思います。個人的には役職は無いよりはあった方が良いと思いますが、入社してすぐに存在感がある役職についても、周囲の協力を得られなかったり、足をひっぱる同僚がいたりと、なかなかうまくいかないのが実情です。

個人的におすすめな役職UPは、やはり給与水準に合わせた役職を付けてもらうのがベストです。給与水準に合わせた役職であれば、自分の肩書以上でも以下でもなく、自分の実力に応じた役職で働けるため、お互いに問題が発生しずらくなります。転職後に役職がUPしたデータは、残念ながら見つかりませんでしたが、給与が上がった方はそれなりに役職がついていると思いますので、大勢いらっしゃると思います。

 

<転職後の環境変化について>

転職後の環境変化としては、当然ながらいくつか変化があります。通勤先の最寄り駅が変わるので、住居との接続やルートが変わりますが、最も大きな変化は人間関係の広がりです。たとえば、私は6回の転職を行っているので、過去の会社の上司、部下との接点、クライアントとの接点、取引業者との接点を通常の会社に属している方の数倍はもっています。同じ会社に何年も属していると、当然ながら深いつながりができるのは間違いありませんが、広さは会社の規模に依存します。ところが、転職すると、新しい人間関係の構築を最初から行う必要が出てくるので、新しい人現関係の広がりが当然でてきます。そうなると見えてくるのが、広がった人間関係で、新しい知識や発見を得ることができる事です。これらは得難い人脈であり、自分の価値を高めることができると思います。

少し視点が変わるのですが、環境の変化として次に思いつくのが、給与UPや役職UPによる住居の引っ越しです。転職後の会社がの福利厚生にもよるのですが、最近は会社の近くに住むと、住居手当がもらえる会社などが増えてきています。私も過去に転職した会社では、家賃の半額が手当てとしてもらえるという制度があり、それを利用して転職することで、給与UPしたと同等の価値を得ることが出来ました。また、引っ越しをすることによって、混雑しないルートの選定や、通勤時間の短縮という別のメリットもでてきました。会社に近いと、飲み会で2次会、3次会にも出席できるので、それもメリットになったこともあります。

 

<転職後の人間関係について>

転職してからすぐに人間関係を構築しなければならない状況になりますが、何回も転職していると、大体は慣れます。ところが、意識しなければ構築できない人間関係はいくつかあるので、そのあたりの経験をお話したいと思います。まずは、見てほしいデータがあります。エン・ジャパンがまとめたデータで、「1万人に聞く「職場の人間関係」意識調査」という資料があります。このデータを見ると、転職する理由の半分以上が人間関係です。

 

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人間関係が転職のきっかけになったことはありますか?

 元ソース:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2018/15067.html

 

 そもそも、人間関係で転職していることから、転職先でも人間関係が微妙な状況が続くと、再度転職せざる得ない状況になると思います。つまり、転職先では人間関係の構築に関して、最新の注意を払って仕事をすることによって、前職の転職理由の人間関係での転職を2度と起こさない努力が必用だという事になります。

人間関係の変化は、大体は仕事に関する考え方の違いによって発生します。性格や考え方の不一致という事は当然ありえますが、大体は仕事の中身に起因することがほとんどだと思います。この場合、大体はどちらかが折れて相手の主張を飲む形で決着し、その主張に納得がいかない人材が辞めていく経緯がほとんどです。そこで、一つ提案があるのですが、相手の主張が間違っていたり、施策が微妙だったとしても、自分の責任にならない場合には、一旦は引いた方が良いと思います。というのも、その微妙な施策の立案者は、その施策の立案によっていつか責任を取らされる形になるからです。いつまでも微妙な人物をそのポジションに置くことは会社としてのリスクであるので、いつか自分の番が回ってくるまでは辛抱してください。特に転職したばかりの会社では、そういった微妙な内容の案件が回ってくることはよくあります。というのも、仕事を最初は選べないからです。

 

<転職後の給与Downについて>

 私も転職時に給与Downがあった経験があります。100万円単位で下がったことはありませんが、実際に数十万円はさがりました。その時の決断は、何と引き換えに給与を下げることを飲むか?だと考えました。たとえば、自分の住居とかなり近く、通勤時間が半分になるので、給与が下がっても問題ない。とか。会社が持っているマンションに引っ越しができるので、実質給与がUPする。とか、副業OKの会社になるので、自分でもっとやりたい副業を実行できる。などが挙げられます。つまり、給与Downをそのまま受け入れるだけではなく、何か別の理由との対比によって給与Downを受け入れたほうが良いと考えています。給与Down自体が転職の失敗ではなく、それと引き換えに得ることができるメリットとの比較によって考えたほうがベストな転職が可能となるでしょう。

 

<転職後の最初の上司は選べない>

転職後の最初の上司に関してですが、大体は選ぶことは不可能です。どんなに微妙な上司でも、その人物の意見に従わざる得ません。これは大変なデメリットですが、回避しなければその後もありません。私の体験では、成功も失敗もあるのですが、ここは失敗談を説明したいと思います。

失敗は最初の転職でした。給与が380万円から550万円にUPするだけでなく、初月からボーナスがでるという破格の待遇によって転職を行いました。コンサルティングファームに所属するのは当然初めてでした。ところが、初めて所属した上司がかなり微妙で、クライアントとも揉めまくりで、その揉めた内容はすべて上司が周囲の意見を聞かずにすすめたことでした。当然、そのプロジェクトは失敗に終わり、その責任をなぜか私に擦り付けようとしました。役員にも相談し、次のプロジェクトにアサインされましたが、今でもトラウマになっています。当然、その会社自体をすでにその時に見限っていまして、すぐに次の転職の事ばかりを考えるようになってしまいました。今思えば、うまく立ち回る方法はなかったと思いますし、自分の運命はサイコロのように出る目によって変わるのだな。と思いました。

ちなみに、それを元に次の転職先をさがしはじめた事が再度給与UPしたきっかけになりました。コンサルティングファームに一度所属するだけで、次の転職はかなりスムーズに行きました。つまり、プロジェクトは微妙だったが、転職には成功したという感じでした。何かを得て、何かを失う事自体は人生において良くある話ですが、その事実を覚悟をもって選択することが次の未来を拓くことになることを学びました。転職をおそれている方がいらっしゃると思いますが、自分の未来は自分にしかつかめません。

 

<合わない会社はすぐに転職した方が良い>

転職してすぐに合わないと感じた会社は、大体は合わないとおもいます。さきほどサイコロの話をしましたが、現在所属している会社はすごろくのゴールではありません。ゴールは人によって異なりますが、すくなくとも、現在の会社に所属すること自体がゴールでは無いと思います。現在の会社における不満が、周囲の人物に与える影響は非常に大きく、お互いにマイナスの影響を及ぼすこと以外はありえないので、早いうちに転職するのがおすすめします。私はとりあえずは最低1年は我慢しますが、1年の振り返りを行った際に未来が見えない場合には、すぐに転職活動を始めます。停滞している現状を打破するには、自分が変わるしかないという現実を自覚して転職活動をしていただければと考えています。

 

<まとめ>

転職には、リスクやデメリットもつきものです。ただし、同時に得ることができるメリットも非常に多く、転職後の給与の上昇も魅力的です。まずは、自分の価値が市場にどれだけ評価されるか?を試すために転職エージェントや転職サイトに登録することをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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