転職して分かったIT業界の転職で起こっている事

<転職して分かったIT業界の転職で起こっている事>

私は現在IT業界に20年ほど在籍していますが、最近のIT業界の転職の際にいろいろとありましたので、これから転職されようとしている方には、ぜひこちらの記事を読んで頂きたいと思います。

 

<書いた人の紹介>

転職職人と申します。2000年に新卒で大手SIerに入社。2~3年したら転職して給料が良いところに転職しようとして大手コンサルティングファームに転職エージェント経由で転職。その後、5社転職して現在もIT企業に在籍、マネージャー、部長、役員など幅広く経験しています。転職して分かったことがいろいろあるので、その体験談を中心に転職のノウハウをご紹介します。

 

<IT業界の転職を数値で確認してみる>

IT業界は、まだ確立してからの業界の時間が短く、非常に不安定な業界です。そんなIT業界の歴史と共に気を付けなければならない話をご紹介します。まずはIT業界のデータから見てみましょう。下記の図は総務省の情報産業サービス業に属している人材の積み上げグラフになります。これだけ日本ではITが広まっているのにも関わらず、少しずつ就業人口が減少してきているのが良く分かります。このグラフからさらにわかるのは、情報通信関連製造業の就業人口が減ってきているという事です。こちらはIT業界というのかは微妙ですが、交換機、携帯電話などの通信機器の国内製造の人員を示していますが、携帯電話が海外製のものが多くなってきたため現象しているのは仕方がないかと思います。

その反面、情報サービス業として書いてある赤色の点々が書いてある部分は、かなり伸びてきています。当然ながら、EC事業者、ネットメディアが多くなってきているので、所属する従業員数は増加しているという事です。

 

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情報産業サービス業の雇用者推移

参照元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd251130.html

 

さらに、もう一つ見ていただきたいグラフがあります。それはdodaの公表している転職求人倍率のグラフです。

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転職求人倍率

参照元:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/

見てもらえれば、すぐにわかると思いますが、IT・通信だけがずば抜けて転職求人倍率が高くなっている事がわかります。※有効求人倍率という別の指標もありますが、今回は転職に絞った形で表現します。

つまり、情報産業全体の人口は減っているのに、IT人材が減っていて、その分転職求人倍率が非常に高くなっているという事になります。また、情報サービス業の売上高は年々増加しているにもかかわらず、人数の上昇率がすくないので、慢性的な人手不足に陥っていることが良く分かります。

 

それでは、そろそろ本題のIT業界の転職で起こっている事の内容を説明させていただきます。

 

<IT業界の転職で気を付けるポイント>

前述のグラフから分かってほしい部分は、このような事です。

・人手不足が慢性的に起こっていること

・求人倍率が異常に上がっていること

 

とくに、人手不足はどのIT企業でも発生している事です。ちなみに私が所属していた過去の会社のいくつかでは、残業が月に何度も100時間を超えています。もちろん、年間では制限を超えないように気を付けているのですが、100時間の残業となると、生活がいろいろと崩れてきます。この慢性的な人手不足に関して、いろいろと考えたことや体験したことをお伝えします。

 

<IT業界で人手不足が慢性的に起こっている事>

IT業界は、よくIT土方と呼ばれています。土方は「どかた」と呼ばれますが、建築会社の現場の作業員と同じようなもの。と揶揄(やゆ)されている呼び方になります。これは現場に近いほど、身に染みてわかる事ですが、個人ベースのタスクの量、ボリュームなどが勤務時間中では補えない事が多すぎて、人海戦術でなんとかプロジェクトを乗り切るという風習が裏側で残っているからです。つまり、IT業界はスマートに見えて、まったく異なっており、作業やタスクに追われる日々が待っているのです。もちろん、すべてのIT業界が同じという事はありません。

dodaが調査している下記の資料によると、プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)の職種の残業時間は、すべての職種の残業時間で4番目に多い残業時間になっています。また、ITコンサルタント(アプリ)は5番目に多い残業時間になっており、どれだけ忙しいか?が良くわかる資料になっているとおもいます。まずは、下記のリンクからどれだけ残量が多いのか?自分と比べて平均の残業時間はどの程度なのか?を把握してみることをおすすめします。

https://doda.jp/guide/zangyo/#movingPosition02

 

ちなみに、私の過去のIT業界の体験だと、残業は若いころは自分を鍛えるためと、給料が安いので生活のために働くという両方の意味で、ある程度はするべきだと考えています。ただし、過度な残業は自分の体調の管理との闘いとなるので、長期間の過度な残業は人員の増加を求めたほうが良いと思います。残業が多いのは、会社が適切な人員配置を行っていないという事と、上司がタスクの量のコントロールやスケジューリングを行っていないことから発生することがほとんどです。

 

<求人倍率が異常に上がっていること>

慢性的な人手不足から発生している異常な求人倍率はおどろくべき事です。売り手と買い手が存在する転職業界では、買い手の求人数が圧倒的に多く、売り手の転職者数が圧倒的に少ないことから、10倍の差が生まれています。他の業界ではなかなか見られない事だと思いますが、この差があるおかげで、IT業界の転職は、給与UPが継続的に見込める業界として存在しているのです。IT業界の高い成長率と給与水準は他の業界と比べて非常に高く、年功序列も少ない業界なので、若手が活躍できる数少ないフィールドだと考えています。ちなみに、私も20代に所属したIT企業では、30代を差し置いて管理職になりました。他の業界ではありえないような抜擢も可能な業界なので、IT業界は夢があります。

ところで、この求人倍率が高いこと自体で問題になってくるのが、募集している企業は人が足りないので、少し知っていればだれでも良いので来てほしいという考えに陥ることです。つまり、面接の障壁が下がっているので、入りやすいのです。そうなると、入ったは良いが、会社が要求するスキルに合致していない人材が入社して、仕事を覚える時間が発生して残業が増えるというループになります。企業側もせっかく給料を上げて募集をかけたのに、マッチしていない事になり、給料を下げざる得ないような事にもなりかねません。

そこで、IT業界で転職される方にアドバイスがあるのですが、職務経歴書に書く内容は、なるべく盛らずにそのままを書いてください。自分が専門ではない事の職務経歴を盛ると後が大変です。すくなくとも、IT業界での転職は自分の専門分野に特化した職務経歴を書くことで、転職後の専門性やポジションの保証などを受けやすくなると思います。関わったが、MTGだけに出ていたようなプロジェクトはなるべく書かずに、本当に関わったプロジェクトを深堀りするような職務経歴書の方が面談時の話が散漫にならずに深堀りできると思います。

 

<IT業界の転職で起こっている事のまとめ>

IT業界で起こっている事を統計的にお伝えしました。この統計は自分の転職を有利に導くだけでなく、業界の将来を占うものになると思います。まずは、自分が所属しているIT業界の現状を数値で知っていただき、市場価値がどの程度あるのか?を判断して頂ければと思います。

 

 

 

 

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