採用の面接官を数百回すると見えてくること

<採用の面接官を数百回すると見えてくること>

今まで採用側としても面接を行ってきました。会社に入社してからの面接回数は数百回を超えているので、どのような事を考えて面接官としての質問を行っているか?をまとめました。これから転職される方は面接対策のためにぜひご一読ください。

<書いた人の紹介>

転職職人と申します。2000年に新卒で大手SIerに入社。就職氷河期に入社したので、入れそうな会社にとりあえず入社。2~3年したら転職して給料が良いところに転職しようとして大手コンサルティングファームに転職エージェント経由で転職。その後、5社転職して現在もIT企業に在籍、マネージャー、部長、役員など幅広く経験しています。また、在籍している企業では毎年数十人の面接官もやっていますので、面接時に面接官が何を考えているか?をお伝えします。

 

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転職

<面接と面談の違い>

採用面接は普通の面接ですが、面談とは異なります。というのも、面接は採用のために面接官が採点し、採用する合否を決めるものですが、面談は採用の合否判定は行いません。もちろん、面談した担当者は裏では採用したいかどうか?は考えていますが、合否判定を決めるものではありません。当然、面談は会社を知ってもらうためと、会社に興味を持ってもらうために実施し、採用する人の面談をある程度有利に導くために行う事です。よく面談前に面接をする企業が増えてきていますが、それは会社の魅力や会社に合うかどうかを本人に理解してもらうために存在します。また、面談が増えてきている理由の一つとして、求人が売り手市場になってきたために、少しでも会社に興味がある人を増やしたいという意思表示でもあります。

 

<面接中に面接官が考えている事>

もちろん、面接官にも個人差や考え方が様々なので、面接中にどのような事を考えているか?は千差万別ですが、下記のような一般的な事は理解して面接していると思います。

・話の内容に論理性があるか?

・経歴や職歴にうそをついていないか?

・受け答えが素直どうか?

・面接官が質問したことをすぐに理解しているか?

・質問に対する回答をよく考えて発言しているか?

・質問された事が無い内容に、まともな回答をしているか?

・会社の事を少しでも事前に理解して話をしているか?

 

<話の内容に論理性があるか?>

そもそも、論理性とは何でしょうか?簡単に言えば、話に筋が通っているとか、ふむふむと面接官が納得するという事が分かりやすい事だと思います。逆に論理性が無いとは何でしょうか?論理性の反対語は、なんと3つもあります。

・感情的

・直観的

・心情的

いずれも関係するのが、心や感情、勘、感覚など主観的な表現です。これらが面接のときに問題になるのか?という事ですが、これらの主観的な考えの主張は、その人の行動原理が感情によって引き起こされるものかどうか?を面接官が見ています。たとえば、「先輩から指示された事はだるいから止めておこう」という態度はその考えと同じ事です。ほかにも、「良くわからないからやらなかった」「めんどくさいからやらない」などの通常ではありえないような事が会社でもよくあります。それを防ぐために、そういった主観的で自分ファーストの考えを持つ人物は排除する傾向があります。上司が論理的に話をしたとして、それを部下も論理的に実行できるかどうかが一般的な仕事です。そういった当たり前の事ができるかどうか?を面接のときに見ているのです。つまり、論理性とは、会社が決めた論理に従って、論理的な行動を発揮できるかどうか?を見ているという事です。

 

<経歴や職歴にうそをついていないか?>

この項目は、よくあるあるの項目ですが、面接に来ている人がどれだけ話を盛っているか?という事を判断しています。職務経歴書や履歴書に本当にうそをついてくる人は少ないと思いますが、話を盛ること自体はよくあることです。これは人として本質的な事で、相手によく見られたいという衝動で、当たり前の事なのです。ところが、話を盛ること自体は当たり前だとして、話を盛りすぎる事と、誰かの手柄を自分がやったことにする事は、評価に値しません。というより、マイナスの評価を受けることになります。つまり、面接官は職務経歴書に書いてある仕事の内容について、このような事を考えています。

・本当に自分がやったこと、考えたことなのか?

・誰かに指示されたたことをやったらうまくいったのか?

・誰かの手柄を自分の手柄にすり替えていないか?

面接官がうそを見抜くこと自体は大変難しいですが、その仕事についての専門的な質問や、細かい詳細についての質問を面接者に対しておこなう事で、実力かどうか?の判断を行っています。

 

<受け答えが素直どうか?>

人によってはこの部分をかなり重要視している面接官もいると思います。面接のときに、受け答えが回りくどかったり、常に話が脱線する傾向や、質問に対して質問を返してくるなどの基本的な会話ができていない人が良くいますが、素直な受けごたえで面接官が聞きたい事を的確に答えてくる人を面接官は評価します。たとえば、面接官が自分の上司だとして、素直でない人と一緒に仕事をすると思えますか?常に話を脱線させ、回答が回りくどい人材はどこの会社にいっても煙たがられます。自分が話を脱線したり、常に回答を遠回しにしたり、話を否定的に聞いたりするような癖があるかどうかは自分では良くわからない事が多いです。面接を受ける前に、素直な話ができるかどうか?を客観的に分析してみることをお勧めします。また、その癖が自分ではわからない場合には、できるだけ親族や親友に忌憚ない意見を頂くのも成功の元になると思います。

 

<面接官が質問したことをすぐに理解しているか?>

面接のときに、何度も同じような質問を面接官からされたことがある人は要注意です。というのも、面接官が質問した事に対して、理解していないと判断されているからです。面接官はその人の能力、考え方を見極めようとしているので、あらゆる質問を行いますが、その質問に対する理解力も同時に見極めようとしています。これはどのような会社でも仕事の指示は、大体は1回か2回くらいでおこなう事が多く、何度も指示を出さなければ理解されない人物に対してはマイナス評価を下さざる得ないという事があるからです。仮に、面接官が質問したことに対してまともに答えられなかった場合には、面接に対する準備不足か、他の質問に対する回答でカバーしましょう。面接官は、一つの質問だけでその人物を評価することは基本的にはありませんので、回答の積み重ねで自分の評価を上げていく必要があるかと思います。

 

<質問に対する回答をよく考えて発言しているか?>

質問に対する回答を面接のときにすぐに答えられる人はそもそも少ないです。当然ですが、言葉を選びながら分かりやすく順序よく話をすること自体が一瞬で行える事自体がスキルなのです。という事で、面接官はスラスラ回答が返ってくること自体が珍しいと感じていますが、一般的には10秒程度の時間で回答が返ってくること自体は許容範囲だと考えています。その10秒などの間が「良く考えている」時間となり、回答の精度や分かりやすさが「良く考えた」かどうかの判定になります。考えている時間に比例する考えが返ってくることは期待していませんが、「なるほど」と思える回答が返ってきたら一般的にはプラス評価をしていると思います。実際に「なるほど」と「うーん」の間にはかなり差があると思うので、面接官が「うーん」とうなったら、微妙な回答をしてしまったので、自分の発言に対するフォローが必用だと思います。

 

<質問された事が無い内容に、まともな回答をしているか?>

面接官は一通りの質問に関しては会社から例を出されて、質問をしています。例えば、よくある質問としては下記のようなものがあると思います。

・どのような事をうちの会社でやりたいですか?

・仕事で成功した事を教えてください。

・座右の銘は?

・尊敬する人物は誰ですか?

・将来の自分はどのようなキャリアを望んでいますか?

これらの一般的な質問に対する回答は、面接前に考えておけば大体はクリアできると思いますが、今までに質問されたことが無いような質問をされることがあります。というのも、経験を積んだ面接官は、面接者が当たり前のように事前に考えてきた事を質問しても、その人の頭の回転の良さや、機転が利くかどうか?の判断をすることができないからです。つまり、面接時にイレギュラーな質問をする事によって、その人の素の能力を判定したいから質問をしているのです。イレギュラーな質問の回答はボロが出やすく、緊張しているときには思いもよらない回答をしてしまいがちですが、面接官はその反応を見ているのです、特に、特殊な質問をされたら、要注意なのは、一般的な質問ではその人の能力を見抜けなかったので、特殊な質問をされたという文脈になるので、その解答には慎重にならざる得ません。

ここで、いくつか特殊な質問に対する回答の方針をお伝えします。

・話をはぐらかさない。

・少し時間をもらってもいいですか?と前置きをする。

 (本当は早く回答すると加点される傾向はある)

・一般的な話はなるべくしない。

 (面接官は一般的な回答は期待していない)

・論理的な筋が通っていれば問題ない

これらの回答に対する方針をある程度は立てていた方が回答しやすいと思います。

 

<会社の事を少しでも事前に理解して話をしているか?>

面接に来られる方で、ごくたまに全く会社の事を理解せずに面接に来られる方がいらっしゃいますが、面接に合格する確率は低くなると考えてください。面談や1次面接での会社に対する理解度の低さはある程度は許容範囲ですが、2次、3次面接のときに会社の事業内容を全く理解せずに面接で合格する方はほとんどいらっしゃいません。ある程度の理解に関しては、面接官が質問するのですぐにわかるのですが、会社への興味関心度合いを測るバロメーターとして機能しています。本当に興味がある会社であれば、会社の事業、IR、PRなどの情報を一通り見てくるのが普通ですが、興味が無い方は全く見れ来られません。面接官は採用人数として決定した人数を採用するのですが、複数人の合否判定を行っている際には、会社に興味がある人の意欲を元に比べたりします。特に同じようなスペック、評価の人材が何人も応募に来た場合には、興味関心の度合いや、やる気などを元に比較するので、必ず事前に会社のホームページを確認することをおすすめします。

 

 <全体的なまとめ>

面接官がどのような考えてをもって質問をしているか?がご理解いただけたでしょうか。面接官が行う質問の意図が分かってくれば、回答するのも楽になると思います。次は、面接時に気を付ける事を書いてみたいと思います。

 

 

 

 

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